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コラム

医療材料コラム

存続の危機に瀕するコンビネーション製品

2023.10.02

予め薬剤を充填済みのプレフィルドシリンジや、心臓の血管の再狭窄を防止する薬剤をコーティングした薬剤溶出型ステント(DES)など、医薬品と医療機器を組み合わせた「コンビネーション製品」が普及し、医療従事者の負担軽減や使い勝手向上、治療成績の向上につながっています。

そうした中、CTやMRIなどの画像診断や、DESの留置時などに用いる、造影剤のシリンジ製剤と造影剤注入器が、薬価制度、保険医療材料制度の狭間で、存続の危機を迎えています。問題は、造影剤のシリンジ製剤の薬価が下落の一途をたどり、安定供給に不安が出ている点。注入器は、シリンジ製剤の供給不安を、指をくわえて見ている事しかできません。

●禁忌にアラート、エアー注入防止など、現場で高い評価

シリンジ製剤と造影剤注入器をセットで使用することによる臨床上のベネフィットは、数多あります。例えば共同開発したICタグ。シリンジ製剤に付与し、患者の禁忌(アレルギー情報)などへのアラート機能を備え付けます。医療安全面でも、エアー注入防止機能を搭載するほか、シリンジ製剤の種類や有効期限などを注入器側で表示・確認できるなど、その貢献度合いは非常に高いです。

●「何故採算が厳しいのか」と疑問の声も

昨年末、ある造影剤のシリンジ製剤を扱うメーカーの親会社が、プレスセミナーを主催した席で、DESなどを扱う高名な循環器内科医に、シリンジ製剤と造影剤注入装置が、存亡の危機にあることを伝えたところ、その高名な循環器内科医は非常に驚いていました。さらに彼は「医療現場ではあって当たり前、医療の効率化、医療安全に資するシリンジ製剤が採算割れを起こし、供給不安に陥っている」ことを、疑問視しておられました。

どのくらい薬価が下がっているのか。造影剤として、よく使われている規格のシリンジ製剤の薬価は、30年前を100とすると、約7分の1(2万3730円→3384円)に沈んでいます。臨床現場での高い評価に反比例して、薬価は下落の一途をたどります。

●セットで使う注入器のメーカーは「打つ手なし」

この問題を難しくしているのは、プレフィルドシリンジや、DESなどコンビネーション製品が保険制度上一体不可分な製品として扱われているのに対して、シリンジ製剤と造影剤注入装置が、別々の製品、それぞれ医薬品、医療機器として扱われている点にあります。

造影剤のシリンジ製剤の製造販売元は造影剤メーカー。薬価の下落が続き、採算割れを起こすような、シリンジ製剤の供給に支障が生じるようなことがあれば、造影剤メーカーが行政に薬価の引き上げを求める必要がありますが、セットで使っているのに、注入器メーカーには打つ手がゼロということです。

注入器は、医師の技術料に包括して評価される医療機器のため、公定価格が定められていません。その結果、注入器メーカーは、シリンジ製剤の採算が厳しいと、行政に陳情するすべがないのです。組み合わせて使用することで、医療安全に貢献してきたにもかかわらず、医薬品と医療機器という縦割りの評価制度の狭間で、存続の危機を迎えているのです。

●シリンジ製剤がなくなると、「瓶からの移し替え」が再燃

仮に薬価が下がり続け、シリンジ製剤が供給されなくなるようなことがあれば、医療現場では瓶製剤から薬液を移し替えるといった手間、移し替えに伴う異物混入などのリスクにも再び直面することになるのではないでしょうか。

シリンジ製剤の薬価が下がっているのは市場の判断の為、「やむを得ない」と、対策を講じないこともできます。ただ医療安全や医療従事者の負担軽減の観点からみると、何らかの対策は必要ではないかと感じます。

●短期的には現場の混乱避ける措置、将来的には抜本的な対策を

2024年度診療報酬改定では、臨床現場や患者の安全に貢献する「日本発のコンビネーション製品」の安定供給をどう担保するか、即効性のある対応を打つべきだと考えます。そして薬価が下がり続けていることの要因分析と、製造販売元の販売姿勢をただすことも忘れてはなりません。

将来的には、効率化や安全面に寄与するコンビネーション製品を、どのように評価するのか、仕組みづくりに知恵を出し合うべきでしょう。

【MEジャーナル 半田 良太】

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