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コラム

医療材料コラム

腹膜透析わずか3%の歪み

2025.04.01

お亡くなりになった方から臓器を提供してもらう移植が根付いていない日本では、腎代替療法が必要な患者のうち、人工透析を選択する割合が非常に高いです。日本透析医学会の調査によると、2023年末で透析療法を受けている患者総数は34万3508人に達しています。このうち約97%の患者は、医療機関で専用の機械で行う「血液透析」を選択し、自分の腹膜をフィルターとする「腹膜透析」はわずか3%にとどまります。腹膜透析の選択率はアメリカ15%、イギリス18%で、日本は欧米先進国と比べても5~6分の1程度です。香港では71%が腹膜透析を選択しており、日本の腹膜透析の選択率の低さが浮き彫りになりました。

●腹膜透析の「手間」が敬遠する理由のひとつに

血液透析は、週3回、1回あたり4~5時間体内の血液を体外の専用の機械でろ過して戻す治療方法です。一方、腹膜透析は1日4回、1回当たり30~40分かけて透析液を交換するCAPD(持続携行式腹膜透析)と、就寝時に透析液をセットして起床時に取り外すAPD(自動腹膜透析)という方法があります。いずれにせよ腹膜透析は、月1回程度の通院ですみ、拘束時間が少なく、心臓の負担も軽いといったメリットがあると言われています。

但し、腹膜透析によるろ過機能は10年持たないことから、いずれは血液透析に移行しなければないうえに、腹膜透析は血液透析と違って、透析液をセッティングするなどの作業を自分自身で行わないといけないと言った手間もかかります。こうしたことが、多くの患者が腹膜透析を敬遠する理由のひとつと言えそうです。

●腹膜透析「選択するための情報が不足」

さらに、腹膜透析に対する情報不足も、患者の選択を妨げている理由とされています。腹膜透析を受けられる医療機関は国内ではわずか300施設程度で、血液透析の4000~5000施設と比べると10分の1以下です。単なる情報不足にとどまらず、血液透析へのアクセスの良さも、腹膜透析の普及を妨げているという皮肉な状況もあるようです。

●患者の医療への参加「自らの治療方法の決定に関与を」

現在、腎代替療法の選択に当たっては、患者や家族が治療に対する理解を深め、医療者とともに最善の治療選択を行うことを支援する「シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)」が重視されています。

厚生労働省も、血液透析、腹膜透析、腎移植について、情報提供することを条件とする診療報酬点数を設けるなど、患者が納得して治療を選択できるよう、医療機関に経済的インセンティブをつけて普及を後押ししています。

とはいえ腎代替療法にかかわるSDMについては、医師の向き合い方と患者の受け止め方に乖離が生じていることも明らかになっています。ある調査では、医師が患者にほぼ100%腹膜透析の説明をしたと回答するも、血液透析を選択した患者の37%が、医師から腹膜透析の説明を受けていないという結果が示されているのです。医療側にはより、腹膜透析について、患者に分かりやすく説明する必要があるということでしょう。

●治療法を選択できる世の中に

まだまだ解決するべき課題は多いですが、最近、外資系企業の日本法人や、在宅医療を進める国内企業が、国内で腹膜透析を普及させようと注力する事例が相次いでいます。ある外資系企業の日本法人は3月13日の世界腎臓デーに合わせて開催した発表会で、腹膜透析の普及に力を入れると宣言し、社長自ら「全ての患者のライフスタイルに合わせた選択肢として提案していきたい」と旗振り役になると宣言しました。

さらに国内の2社は合弁会社を設立し、腹膜透析関連製品の情報提供や販売促進を開始するとのプレスリリースを発表しました。腹膜透析普及に向けた企業側の動きが活発化しており、こうした流れが加速することを期待します。

血液透析が、腎代替療法を必要とする患者の福音になっていることは間違いありませんが、わずか3%にとどまっている腹膜透析の普及や、腎移植でも、親族間による提供(生体腎移植)といった選択肢があることを含めて、もう少し情報がいきわたる必要があるはずです。患者がそれぞれの治療法のメリット、デメリットを含めて、自らがふさわしいと思う治療法を選択できる世の中になることを祈っています。

【MEジャーナル 半田 良太】

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